顔の角度を変えて描くとき、「フカン(上から見た顔)でバランスが崩れてしまう」「描いてみたいけど描き方が分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。
正面顔は描けても、フカンになると目や口の位置が分からなくなり、違和感のある顔になってしまうことも少なくありません。
実はフカン顔は感覚で描くのではなく、「視点」と「立体構造」を理解すると安定して描けるようになります。
もえかき編集部この記事では、フカン顔(下を向いた顔)の基本的な描き方を、アタリの作り方から目・鼻・口・輪郭・髪の描き方まで順序立てて解説します。
顔だけでなく全身の遠近の考え方も紹介するので、フカン構図を自然に描けるようになりたい方はぜひ参考にしてください。
東北在住の専業主婦。「もえかき」の編集長。新人イラストレーターとして独学で絵を学びながら、日々表現の幅を広げています。
主婦として家事や生活を大切にしつつ、現場経験を支える保育士免許も保有。
子どもや暮らしに寄り添う視点を強みに、やさしく分かりやすいビジュアルづくりを心がけています。
学びの過程そのものも発信し、読者と一緒に成長していける編集長を目指しています。


フカン顔の基礎知識


フカン顔とは、顔を上から見下ろした角度で見える顔の描き方を指します。
正面顔とは見え方が大きく変わるため、同じ感覚で描くとバランスが崩れやすくなります。
とくに初心者は「正面の顔配置」をそのまま使いやすく、結果としてフカンの角度が弱く見えてしまうことが多いです。
フカン顔を理解するために大切なのは、顔のどの面が広く見えて、どの面が狭く見えるのかという立体の変化を知ることです。
添付の図を見ると分かる通り、視点が上にあることで顔の見え方は大きく変化します。
まず押さえておきたいポイントは次の4つです。
- 上から見ると「上向きの面」が広く見える
- 下向きの面は狭くなる、または見えなくなる
- 正面より頭が少し大きく見える
- 目・鼻・口などの顔パーツは下側に集まる
フカン顔では、この4つの変化が同時に起こります。
この仕組みを理解すると、顔の配置を感覚ではなく構造で描けるようになります。
結果として、フカン特有の自然なバランスを作りやすくなるでしょう。
添付の図を例にすると、頭の上側にはオレンジの円が描かれています。
これは上向きの面が広く見えることを表しています。
視点が上にあるため、頭頂部や髪の上側の面積が強調され、正面顔よりも頭が少し大きく感じられるのです。
一方で、顎の下側は下向きの面になるため、見える範囲が狭くなります。
顎の下の面は視点から遠ざかるため、正面よりも短く見えやすいのです。
フカン顔を描くときに顎を短めに感じる理由は、この視点の変化にあります。
さらに重要なのは、顔パーツの位置が下側に寄るという特徴です。
図を見ると、目・鼻・口が顔の下半分に集中していることが分かります。
上から見下ろす構図では、額や頭頂部の面積が広がるため、顔のパーツは自然と下側に集まる形になります。



つまりフカン顔では、「上の面が広がり、下の面が圧縮される」という立体変化が起きています。
この考え方を意識すると、フカンの角度を安定して描けるようになります。
フカン顔を練習するときは、まず頭の上側の面を広く取り、顔パーツを少し下に配置することから始めてみましょう。
これらを意識するだけでも、見下ろした視点の印象がぐっと強くなります。
次の章では、実際にフカン顔を描くためのアタリの取り方と手順を解説していきます。
円の描き方や十字線の曲げ方など、フカン特有の描き方を順番に見ていきましょう。
フカン顔の描き方(下を向いた顔)


フカン顔を安定して描くためには、頭の「上側の面」が広く見える構造を理解することが重要です。
視点がキャラクターより高い位置にあるため、頭頂部や髪の上側などの面積が自然と視界に入り、正面顔よりも頭の上側が大きく感じられるようになります。
人の頭は、球体に近い立体構造をしています。
上から見下ろす構図では、その球体の上半分が強く見え、額から頭頂部にかけての面が広く認識されます。
一方で、顎や首の下側などの下向きの面は視線から遠ざかるため、見える範囲が狭くなります。
この立体の見え方の変化が、フカン特有のバランスを作ります。
実際の作画では、まず円を描いて頭の基本形を作ります。
次に十字線を入れて顔の向きを決めますが、フカンの場合は横の線を「下に弧を描く形」で配置することが重要です。
視点が上にあるため、顔の中心ラインや目のラインは下方向へ丸くカーブします。
この曲線を意識することで、上から見た角度が自然に表現できます。
さらに重要なのは、頭頂部の位置に印を付ける工程です。
図では円の上側に赤い印が付いています。
ここはつむじや頭頂部の位置を示す目印であり、フカン構図では特に重要なポイントになります。
頭頂部を明確に決めておくと、髪の流れや頭の立体感を安定して描けるようになります。
フカン顔を描く際は、次の3つを意識すると形が崩れにくくなります。
- 円の上側を広く見せる意識を持つ
- 十字線は下方向へカーブさせる
- 頭頂部の位置を最初に決める
この3点を押さえるだけでも、正面顔とは異なるフカンの立体感を表現できます。
まずは円と十字線だけを使い、頭の上側が広く見えるバランスを何度も描いて確認しましょう。
基礎のアタリを安定させることが、自然なフカン顔を描く近道です。
【目】フカン顔の描き方


フカン顔では、目の形と位置が正面顔と大きく変わります。
画像のように、上から顔を見る視点では額の面積が広く見えるため、目の位置は顔の中央より下に配置されます。
この構造を理解せずに正面と同じ位置へ目を置くと、角度が弱い顔になります。
フカン顔らしい視点を作るためには、まず目の「縦幅」と「位置」の変化を理解しましょう。
フカン顔の目で起きる変化は次の3つです。
- 縦幅は正面より短く見える
- 目の位置は顔の半分より低くなる
- 視線は上目遣いに近い印象になる
まず縦幅の変化です。
添付画像の左側の比較図のように、フカン顔では目の縦幅が圧縮されて見えます。
理由は、顔を上から見るとまぶたの上面が視界に入り、目の高さが立体的に押しつぶされた形で見えるためです。
正面と同じ縦幅で描くと目だけが浮き、顔の角度が弱く見えます。
自然なフカン顔を描く際は、正面の目より縦幅を短くするとバランスが整います。
次に目の位置です。
画像の右図では、青いガイドラインよりも下に目が配置されています。
フカン視点では額の上面が広く見えるため、顔の上半分の面積が大きくなる構造です。
その結果、目の位置は顔の中央より下側へ移動します。
初心者は正面顔の感覚で目を中央付近に置きやすい傾向があるため、気を付けましょう。
しかし中央に配置すると、顔の上面の広がりを表現できず、フカン角度が弱い印象になってしまいます。
さらにフカン顔では、キャラクターが上から見下ろされる姿勢になります。
そのため視線は自然と上方向へ向かい、上目遣いに近い印象の目になるのです。
この視点の特徴を理解して描くと、顔の角度と表情の方向が自然に一致します。



フカン顔で目を描く際は、次の2点を意識しましょう。
・目の縦幅を正面より短くする
・目の位置を顔の中央より下に置く
この2つを調整すると、フカン顔の立体感と視点の説得力が大きく高まります。
【顎・耳・輪郭】フカン顔の描き方


フカン顔では、正面顔とは輪郭の位置関係が大きく変わります。
特に重要になるのが「顎」と「耳」の高さです。
この2つの位置を理解すると、顔の立体感が自然に整います。
- 顎は正面より下に見える
- 耳は正面より上に見える
- 輪郭は性別によって形を調整する
画像を見ると、フカン視点では耳と顎の高さ関係が正面と逆に近い状態になります。
視点が上にあるため、頭部の上面が広く見え、顔の下側が遠くなる構造です。
まず顎の位置です。
フカンでは視点が高いため、顎先が視点から遠い位置になります。
その結果、顎の位置は正面より下側に見えるでしょう。
さらに角度が強くなるほど奥行きが圧縮されるため、顎の長さも短く見える傾向があります。
正面と同じ長さで描くと輪郭が間延びして見えるため、顎先は少し引き上げて描くと安定します。
次に耳の位置です。
フカンでは頭の上面が見えるため、耳の高さは正面より上へ移動します。
画像のように、耳は目の高さよりやや上に配置すると自然な立体感になるでしょう。
この調整によって、顔が上から見下ろされている構図がはっきり表現できます。
最後に輪郭の描き分けです。
フカン顔でも、男女で輪郭の線を調整するとキャラクターの印象が整います。
| 性別 | 輪郭の特徴 |
| 男性 | 顎や頬に直線的なラインを使う |
| 女性 | 頬から顎にかけて曲線を強める |
男性は骨格を意識した直線が似合います。
女性は頬の丸みを強調すると柔らかい印象になります。
耳は上へ、顎は下へという位置関係を意識してください。
この2点を整えるだけで、フカン顔の立体感は大きく安定するでしょう。
【鼻・口】フカン顔の描き方


フカン顔では、鼻と口まわりの距離感が正面顔とは変わる点に注意しましょう。
特に注意したいのが「鼻下の長さ」と「口の向き」です。
この2つを調整すると、フカン視点でも口元の立体感が自然に整います。
フカン顔の口元で起こる主な変化は次の通りです。
- 鼻と口の距離が短く見える
- 鼻下の長さが圧縮される
- 口がやや上向きに見える
まず鼻と口の距離です。
フカン視点では顔を上から見るため、顔の下側の面積が圧縮されて見えます。
その影響で、鼻から口までの距離は正面よりも短く見える構造になります。
画像でも、鼻の下から口までの間隔が狭くなっているのが分かるでしょう。
正面顔と同じ距離で描くと口元が間延びし、フカン角度が弱く見えてしまいます。
自然なフカン顔を描く場合は、鼻下の長さを正面より少し短く調整するとバランスが整います。
目安としては、およそ0.7〜0.8倍ほどに圧縮するイメージです。
次に口の向きです。
フカンでは視点が高いため、キャラクターは下側に位置する形になります。
そのため口のラインは、わずかに上方向へ向いて見える傾向があります。
画像のように、口をほんの少し上気味に描いても違和感はありません。
むしろ口角をわずかに上げたほうが、フカン視点の自然な形になりやすいでしょう。
フカン顔の口元を安定させるコツは、鼻と口の距離を短く意識することです。
鼻下を圧縮し、口を少し上向きに描くことで、フカン視点の立体感がより自然に表現できます。
【髪】フカン顔の描き方


フカン顔では、顔のパーツだけでなく髪の見え方も大きく変わります。
特に意識したいのが「頭頂部」と「髪の流れ」で、ここを正しく理解すると、フカン視点でも違和感のない自然な髪型に仕上がるでしょう。
まず重要なのが、髪の起点になる「つむじ」の位置です。
髪の毛は頭頂部のつむじを中心に放射状へ広がる構造をしているため、最初につむじの場所を軽く決めておくと、髪束の流れが整理されて描きやすくなります。
すべての髪はここから外側へ流れるイメージになるため、つむじを基準にして線を広げていくと、自然な方向性が生まれるのです。
初心者の場合、つむじを意識せずに髪を描き始めることが多く、その結果として髪束の向きがばらばらになりやすい傾向があります。
そこで「頭頂部から広がる」という構造を意識しながら、中心から外へ髪を流すように描いていきましょう。
放射状の流れを意識するだけで、髪全体のまとまりが大きく変わります。
さらにフカン顔では、頭を上から見る視点になるため、頭の上面が正面顔よりも広く見えるのが特徴です。
その影響で、前髪の生え際や髪の分け目も少し広がって見える形になります。
正面と同じ幅で描くと窮屈な印象になるため、前髪の範囲はやや広めに取ると自然なバランスになります。
最後に意識したいのが頭頂部の丸みです。
フカン視点では頭のてっぺんが視点に近くなるため、頭頂部のカーブが目立ちやすくなります。
ここを平らに描くのではなく、しっかりとした丸みを意識すると、頭の立体感が安定しやすいでしょう。



髪を描くときは、つむじを中心にした流れと頭頂部の丸みを意識してみてください。
この2点を押さえるだけでも、フカン顔の説得力はぐっと高まり、視点に合った自然な髪型を表現できるようになります。
フカン全体(上から見下ろす)の描き方


フカン構図を描くときは、顔の角度だけでなく体全体の遠近関係も一緒に考えることが大切です。
顔だけを上から見た形にしても、体の比率が正面のままだと視点が一致せず、どこか不自然な印象になってしまうでしょう。
自然なフカン構図に見せるためには、「視点に近い部分ほど大きく、遠い部分ほど小さく見える」という遠近の基本を意識することが重要です。
フカン構図では視点がキャラクターより高い位置にあるため、肩や胸などの上半身が視点に近くなり、反対に腰から下の下半身は遠ざかって見えます。
その結果、上半身はやや大きく長く見え、脚は少し短く小さく感じられるバランスになります。
正面と同じ体の比率で描くと角度の印象が弱くなるため、肩幅をやや広めに取り、上半身の存在感を少し強調するとフカン構図らしい迫力が生まれるはずです。
また、体を描くときは「平面」ではなく「立体」として考えることも重要なポイントです。
特に胴体は一枚の板のように描くのではなく、立方体の箱として捉えると面の向きが理解しやすくなります。
フカン構図では肩から胸にかけての上面が少し見えるため、上面・前面・側面の向きを意識しながら描くと、体の立体感が安定するでしょう。
手足の描き方も同じ考え方で、細い線として処理するよりも円柱の形をイメージすると奥行きが表現しやすくなります。
円柱は手前ほど太く見え、遠ざかるほど細く見えるため、この太さの変化を少し意識するだけでも自然な遠近感が生まれます。



フカン構図では「どの部分が視点に近いか」を考えながら体を立体として捉えてみましょう。
上半身は大きく、下半身はやや小さく見えるという遠近の流れを理解すると、キャラクター全体のバランスが整い、説得力のあるフカン構図を描けるようになります。
まとめ:フカン顔の描き方(下を向いた顔)|髪の毛、アタリの手順も合わせて解説
フカン顔を自然に描くためには、「上から見ている視点」と「顔の立体構造」を意識することが重要です。
視点が高くなるほど額や頭頂部が広く見え、顎や鼻下など顔の下側は圧縮されて見えるため、パーツの位置や長さもそれに合わせて調整します。
まずは円と十字線で頭のアタリを作り、視点に合わせた中心線を決めましょう。
目は正面より少し下に配置し、顎は短め、耳はやや上側に見える位置に調整するとフカンらしい印象になります。
鼻と口の距離も短く見えるため、鼻下はやや詰めて描くのがポイントです。
また、髪は頭頂部から放射状に広がる流れを意識すると自然にまとまります。
体まで描く場合は、上半身が大きく下半身が小さく見える遠近のバランスを意識しましょう。
アタリ→頭頂部→パーツ配置の順で練習すると、フカン顔は安定して描けるようになりますよ。










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